保健体育コース (中高教員)
学びのPOINT
保健体育コース (中高教員)
保健体育コース (中高教員)は、身体運動や健康の維持・増進等に関する科学的な理論を学び、理論と実践を融合させた高い実践力を有する保健体育教師ならびにスポーツや健康に関わる指導者の養成をめざしています。
現在、急激な社会の変化を背景として、子どもたちの体力・運動能力の低下や全ての年代に対する健康問題等、心身に関する様々な問題が生じています。こうした中、生理学、バイオメカニクスといった身体に関わる基礎的な知識だけではなく、教育学や心理学といった幅広い知識と素養を持ち、それを実践に生かしていける体育やスポーツあるいは健康の専門家としての指導者が求められています。本コースでは、そのような経験と科学的な理論を背景としながら、学修者一人ひとりに共感し、学修者自身が積極的に学んでいけるようなサポートができる教師や指導者の養成を目指します。
本コースでは、中学校教諭および高等学校教諭の一種免許状(保健体育)を主に、小学校教諭一種免許状の取得も可能です。また、スポーツ指導者(日本スポーツ協会)の適応コース承認校、初級パラスポーツ指導員の資格取得認定校(日本パラスポーツ協会)にもなっています。
何を学ぶのか |
|
---|---|
どう学ぶのか |
|
![]() |
|
将来の進路 |
|
本コースでは、講義だけではなく、演習や模擬授業などを通して、正しい理論に基づく実践力のある教師や指導者を育てます。それは、単に「競技力がある」「運動が好き」的な教師ではなく、個々の子どもに応じた適切な働きかけをし、その能力を伸ばしたり、身体運動の楽しさを味あわせ、生涯にわたって運動に親しみ、健康に暮らしていける素地を作る教師です。また、地域の人々の健康増進に貢献できる指導者としての能力も育てます。
カリキュラム

最近の主な卒業論文テーマ
- スポーツ経験が勝利志向性,運動の有能感,ライフスキルに及ぼす影響
- 柔道団体試合におけるスコア獲得時の選手の位置状況に関する研究
- 跳び箱運動にみられる類縁性のある動きに関する一考察
- 中学校体育におけるICTを活用した授業展開に関する一考察-マット運動に着目して-
- 大学生の通学環境が身体活動量に及ぼす影響
主な科目紹介
保健体育科教育法
保健体育科の目的に対する学習成果を確実に生み出す専門的な力量を身に付ける。
優れた学習効果をあげるには、保健体育科教育に関わる多くの知識を理解しているだけでは不十分です。実践力を備えた教師になるためには、経験と理論を融合させた計画を立て、実践し、その過程と結果を振り返ることが不可欠です。この授業では、その基礎を作るため、授業計画の立て方や授業の進め方、教材開発、子どもへの関わり方などを学びます。
体育史
日本における学校体育の歴史を学び、将来の体育について考える。
明治期以降から現代までの教科体育を中心に学校体育の発展の過程を考察し、現代の学校体育がどのような経緯の上に成立してきたのかを検討します。これにより、現代の体育の諸問題を歴史的に検討する眼を養い、現在の体育を正しく理解し、将来のあり方について考えていく基礎的知識と方法を習得します。
体育実技(陸上)
陸上運動・競技を効果的に楽しく行う方法を考察。
陸上運動・競技は、全ての身体運動の基礎的動作を含んでいるにも関わらず、運動自体が単純で、身体能力の差が出やすいことから、子どもたちにはあまり人気がありません。そこで、他人との比較を中心に据えず、個々の能力を十二分に発揮させ、そこに価値を見出すことのできる授業形態を実践しながら学んでいきます。同時に、単純な運動の中にも、ゲーム性を持たせるような工夫の仕方を提示し、楽しく、仲間と考えながら陸上運動・競技を行う手段を考えます。
公衆衛生学
生活習慣病の予防と高齢者問題を中心に、公衆衛生学の基礎を理解。
公衆衛生学は、ヒトの健康を維持増進させるための学問です。現在のわが国には、生活習慣と密接な関係にある疾病(生活習慣病)の増加や、高齢者の健康や医療費増大などといった大きな課題が存在します。本講義では、主に教育現場で最も重要と思われる生活習慣病の予防と高齢者問題に焦点をあて、疫学・統計学や評価方法、保健活動に関する制度や施策など、公衆衛生学の基礎を理解します。