国文学科
学科概要
国文学科で学ぶこと
上代・中古・中世・近世・近代・現代にかけての幅広い時代の文学作品を解読する「国文学」と、日本語の構造や表現などを学ぶ「国語学」の二つを中心に、漢文学・書道・図書館学まで、様々な領域について学びます。各分野にそれぞれ少数精鋭のゼミを開講し、正確に文献を解釈する読解力と、美しく的確な表現力を培います。
幅広い分野に応用できる力
国文学・国語学を通して、自立した社会人に不可欠な「豊かな感受性」「柔軟な思考力」「的確な表現力」を身に付けます。
読解力と表現力を学ぶ少人数ゼミ
10の専門分野にはそれぞれ少数精鋭のゼミが置かれ、正確に文献を解釈する読解力と、美しく的確な表現力を培います。
10の専門分野で国文学を学ぶ
上代から現代まで6つの時代の国文学と、国語学・漢文学・書道・図書館学の合計10分野に専任教員を配しています。
自由に組み合わせられる4コース
「国語学・国文学」「国語教育コース(中高教員)」「書道・漢文学コース」「図書館司書コース」の4コースを設置しています。学生の興味に合わせ、自由に組み合わせて履修することが可能です。
学科Topics
教室で学ぶだけではありません。 多彩な学びを通して成長します。
フィールドワーク
ゼミごとに、それぞれの研究内容に合わせてフィールドワークを行います。
●上代文学ゼミ
ゼミ旅行では、万葉集や古事記などの上代文学作品の故地をその年の研究テーマに応じて訪ねています。これまで九州・山陰・四国・奈良などに行きました。作品の舞台の土地に実際に行くことで作品の理解を深めることができます。

●中古文学ゼミ
多くの平安文学作品の舞台となった京都をはじめ、大阪や奈良など、学生たちの研究課題に即して現地を散策します。登場人物たちが移動した距離を実際に歩くことで確かめる、今と昔の共通点と相違点を見付けるなどして、見て、聞いて、食べて、笑って、全身で学びます。

●近世文学ゼミ
ゼミ旅行では、近世期に書かれた文学作品にゆかりのある土地に行って、その土地の空気を吸い、その土地の風景を楽しみ、その土地のものを食します。令和元年度は「おくのほそ道」を逆行すると題して、松島・日光・深川を訪れました。

●近代文学ゼミ
フィールドワークでは、ゼミで取り扱った近代文学作品の舞台を訪れたり、近代日本において文学と密接な関係にあった演劇・劇場文化を体験します。訪問地は、毎年ゼミ生たちの意見を取り入れながら、みんなで決めていきます。

●国語学ゼミ
方言は身近で興味のある言葉ですが、その本格的な研究方法を学ぶ機会は余りありません。このゼミでは、普段接することの余りない言語圏で調査をし、記録や解釈など、総合的にその方法を学びます。

●漢文学ゼミ・書道ゼミ
中国の歴史や文化に実際に触れるため、書道ゼミと漢文ゼミのフィールドワークの行き先は、もちろん本場、中国。毎年、書道ゆかりの重要な石碑を見たり、漢文学の理解に欠かせない儒教や道教に関係する史跡を訪れています。

●図書館学・現代文学ゼミ
図書館、文学館、街の本屋、古本屋、ブックカフェなど、東京都内にある様々な「本のある空間」「読書空間」を訪れることで、それらがなぜ世の中で必要とされ、どのような理念で運営され、どのようにして魅力的な空間をつくっているのかを実際に見て回ります。

文学散歩
文学作品ゆかりの地を訪ね歩く文学散歩。令和4年度は、コロナウイルス感染症の流行のため、実に3年ぶりの文学散歩の実施になりました。今回、「ぶらり伊勢散歩」と題して歩いたのは、大学お膝元の伊勢古市街道から、伊勢神宮内宮の門前町であるおはらい町まで。伊勢参りで知られる伊勢の地は、文学的史跡の宝庫でもあります。学外へと足を伸ばす文学散歩は、文字からだけでは分からない作品の雰囲気を実体験できる貴重な機会となっています。

ビブリオバトル
ビブリオバトルとは、参加者が好きな本について紹介し、聞き手がその本を「どれだけ読みたくなったか」で競う、知の格闘技です。国文学科では授業にビブリオバトルを取り入れ、読解力と言葉による表現力の向上に役立てています。

コース紹介
国語学・国文学コース
上代から近現代の文学作品を読解することで、国文学の歴史や作品、作者の背景を知り、日本語の構造や表現を身に付けるほか、書道や漢文学を通じた中国からの文化的影響などについて学びます。豊かな感受性と思考力、表現力を培うことで、言葉の持つ力を社会のなかで広く応用できる力を修得します。


何を学ぶのか |
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どう学ぶのか |
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将来の進路 |
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国語教育コース(中高教員)
中学校・高等学校の国語科教員や高等学校の書道教員になることを目標として、教壇に立てるようになることを目指します。学ぶことの楽しさを自らが知り、言葉への知的探求を続けることで、人に教える立場から国語学・国文学に関わり続けていくための力を身に付けます。また、正確な読解力と豊かな表現力を培うことで、それらを学校教育の現場で活用できる力を修得します。
何を学ぶのか |
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どう学ぶのか |
国語学・国文学コースの内容に加えて、法令で定められた国語免許取得に必要な「教科に関する科目」を履修する
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将来の進路 |
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書道・漢文学コース
さまざまな書体と書風を書きこなし、書によって思いを伝える「表現力」を伸ばします。書家として、書道の指導者とし て必要な知識と技術を確実に指導します。また漢文の読解力を身につけ、多くの漢文作品に触れることで中国文化やその日本への影響を学びます。
何を学ぶのか |
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どう学ぶのか |
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将来の進路 |
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図書館司書コース
図書館の理念とその歴史、図書館サービスの理論と応用、情報資源の組織化と管理、書物文化と情報メディアの特性、本と人とを結びつけるサービス技術、地域文化の振興や情報活用を促すための方法や考え方など、図書館や書物を取り巻くさまざまなテーマを学ぶことで、図書館司書になることを目指します。
何を学ぶのか |
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どう学ぶのか |
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将来の進路 |
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講義の特色


古典文学講義IA
「古事記』を読み解くことで、
上代文学の魅力に迫る。
「古事記」の概要を知り、実際に読み進めながら理解を深めていきます。基礎的な事柄はもちろん、上巻「大国主神」、中巻「倭建命」については、特に重点を置いて考察。同時に、上代文学の特質についても学んでいきます。最終的には、それぞれの話について説明できるまで理解を深めることをめざします。
書論・鑑賞
書を通じて民族・地域性まで深く理解。
書論を読み解きながら、その時代における芸術論や書法・書体に関する概念などについて考察。中国と日本の書 に対する考え方の違いを学び、民族的・地域的なものとの関わりまで深く理解します。
漢文学概論II
日本に影響を与えた漢文学の全体像をつかむ。
古代中国の「小説」の誕生から始まり、六朝期の志怪小説、唐代の伝奇小説に至る展開を概説。その後、『三国志演義』などに代表される明代の白話小説が成立した経緯や内容について理解していきます。
専門演習IB
卒業論文の作成に欠かせない技術を修得。
平安時代の歌集を輪読します。一語一語丁寧に読解し、問題点を整理。適切な資料作成と討論を通じて、卒業論文に必要な研究方法を身に付けていきます。
国語学講読II
文学作品を熟読し、 史的変遷の実態を把握。
平安時代末の説話文学集である「今昔物語集」を読み、古辞書の使い方など国語史資料を利用する方法を修得。さらに、漢字の字形と 時代性を観察することで古典の読解力の向上をめざします。
近代文学講義IB
書物そのものの観点から、 近代文学を研究。
近代文学研究において重要なキーワードとなる「読書」や「書物」の問題について考察。文学作品の読書環境や書物の出版・印刷など のトピックスを取り上げ、言語文化に対する関心を深めていきます。