事業概要coc

取組の概要

平成26年度地(知)の拠点整備事業で採択された本事業では、伊勢志摩圏域の3市5町が参画する「伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン」の課題を踏まえ、圏域の歴史文化観光資源、自然環境定住資源、地域経済・産業等を活かした総合学修プログラム『伊勢志摩定住自立圏共生学』(4科目)を開発し、学部学生が主体的に地域資源や圏域の現況と課題を学び、その中で圏域内自治体職員や職業人と協働して、新事業創出(6次産業化)の方法等について学修できる新たな教育課程の構築をめざしています。
また、基盤的学修となる1年次全学必修「伊勢学」を改善し、圏域の資源や課題を学ぶ全学必修「伊勢志摩共生学」(2単位)に拡充。さらに「地域課題学修支援室」を整備し、圏域をフィールドにした実習科目(1単位)を実施し、各学科専門科目と圏域の課題解決学修の総合化を図る「プロジェクト研究Ⅰ〜Ⅳ」(2単位×4/3・4年次)を開設しています。

取組の概要

事業の目的

本事業の全体の目的は、地域の定住機能の新たな在り方を自らの課題として捉え行動できるアクティブ・シチズンの育成とそのためのカリキュラム改革・学士課程教育の質的転換であり、具体的には以下の通りです。

事業の目的
  • 教育

    大学、自治体及び産業界が、各々が有する異なる教育資源を補完し合って、圏域の将来問題を多面的に捉え主体的に行動できる人材養成のための教育プログラムを協働して開発し、学部学生や自治体職員・産業従事者に対してプログラムを実際に運用することを通じて、伊勢志摩定住自立圏全体で人口定住のために必要な生活機能を確保し、地域の活性化と発展を図ります。このような取組みは、他の地方大学・短大や自治体・産業界等にとっても必ず利用可能な実践事例となることが期待できます。

  • 研究等

    圏域自治体の「生活機能の強化」、「ネットワークの強化」、「圏域マネジメント能力の強化」に関して、1)歴史文化観光資源領域/2)自然環境定住資源領域/3)地域経済・産業領域/4)地域福祉・教育資源領域、この4つの領域をフレームワークとし、学部・学科等の専門領域を超えて学際的に対応します。「伊勢志摩定住自立圏共生学」運営会議や圏域各エリアでのCLL活動を通じて得られた定住自立圏共生ビジョンに沿った個別・具体の研究課題に取り組むことで、圏域の定住自立機能の新たな在り方を推進することができます。

  • 社会貢献

    「地域連携推進室」が、本プログラムにおいて自治体・産業界等との連携協定に基づく社会貢献事業を一体的に管理及び推進することにより、1)歴史文化観光資源領域/2)自然環境定住資源領域/3)地域経済・産業領域/4)地域福祉・教育資源領域、この4つの領域における学生及び教員による地域貢献活動件数や参加人数を向上させるとともに、三重県内の企業・団体等へのインターンシップ派遣企業数・派遣学生数をも向上させることで、地域への定住を促し、地域再生・活性化を推進することができます。

  • 全体

    本プログラムで開発した『伊勢志摩定住自立圏共生学』を学部横断的な副専攻として教育課程の中に位置づけることにより地域志向大学としての教育改革・ガバナンス改革を推進します。このことにより学生は、所属する各学部の専門科目を学びつつ、伊勢志摩圏域をはじめとする三重県内の現況・課題・将来ビジョンを社会人と協働して実践的に学び、卒業後圏域県内に定住してその将来を担う人材として成長し、地域産業界・行政機関・教育界等で活躍することが期待できます。また、同プログラムを社会人に対しては履修証明プログラムとして活用することで、地域振興に取り組む社会人の学び直しの機会を提供しています。

連携自治体

伊勢市、鳥羽市、志摩市、度会郡玉城町、度会郡度会町、度会郡大紀町、度会郡南伊勢町、多気郡明和町の3市5町

伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン概要

「伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン」とは、伊勢市が中心市となり、生活圏や経済圏を共にする近隣市町が連携・協力を強化し、人口減少及び少子高齢化に対応したまちづくりを進めるとともに、社会を支える世代の定住を促進させることを目指す具体的な取組です。

本学が位置する伊勢志摩地域は、中心市である伊勢市を中心にして3市5町がそれぞれの行政区域を越えて生活圏を共有し、社会・経済・教育などの面で結びつきも深く、これまでにもさまざまな連携取組を進め、効率的な行政事務を行ってきた圏域です。

この圏域における人口は、昭和60年の309,108人をピークに減少傾向にあり、平成27年には265,659人となっています。国立社会保障人口問題研究所による平成27年国勢調査人口を基準とした人口推計では、平成57年における圏域人口は約17万8千人まで減少し、老年人口(65歳以上)比率は約44%まで上昇し、年少人口(0~14歳)の構成比は、10%程度となり、また生産年齢人口(15~64歳)の構成比は50%を割り込むと見込まれています。

伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン概要
年間3区分人口と年齢別割合の推移
※伊勢市企画調整課(2019)「第2次伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン」(2020.1.26)から引用

人口減少及び少子高齢化の急速な進行の影響は、生産年齢人口の減少、産業や経済のグローバル化による雇用環境の激変等による圏域自治体の財政状況の悪化に端的に現れつつあり、長年にわたって築かれてきた地域社会の定住生活機能の衰退に繋がっています。こうしたなか、今後も地域が定住生活圏としての機能を維持・発展してゆくためには、単独自治体での取組には限界があり、圏域の市町が各々の有する行政機能や地域資源を有効に活用し合いながら、圏域全体で定住者の暮らしに必要な機能を確保してゆくための、地域社会システムの再構築が求められています。

参考

伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン

伊勢市が中心市となり、鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町、明和町の3市5町が連携し、圏域全体で役割を分担しながら、人口減少、少子高齢化といった社会構造の再構築が求められる転換期を乗り越えていこうというものである。

伊勢志摩定住自立圏共生ビジョン

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皇學館大学

教育開発センター 地域課題学修支援室
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電話連絡先

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