
岡野ゼミのテーマは「伊勢国司北畠氏の研究」です。北畠氏といえば、『神皇正統記』を著した北畠親房、織田信長に謀殺された剣豪・北畠具教が知られていますが、実は彼らは、皇學館大学のある伊勢と深い関わりがある人たち。ゼミでは、『北畠氏関係資料―記録編―』を読み解くことで、彼らが200年以上にわたって国司として支配していた中世後期(南北朝・室町・戦国時代)の伊勢国について考察していきます。ゼミで大切にしているのは、「一言半句もおろそかにしない」こと。
その言葉どおり、ゼミ生たちは、当時の人々が書いた本物の史料を一文字一文字丁寧に読み、現代語に訳し、内容を理解していきます。最終的には、中世後期の伊勢国について、全員で議論できることを目標としています。「史料を正確に読み解く力が身に付けば、教科書にも年表にも歴史書にも書かれていない無尽蔵の歴史事実と出会えるのです」と語る岡野先生。これこそが、このゼミで学ぶおもしろさであり、最大の魅力かもしれません。

<教員からのメッセージ>
歴史を学ぶことは、未来を生き抜く力になります。
学生たちは、ゼミの学びを通して、確かなエビデンスに基づいた、バランスのとれた歴史認識力を身に付けています。そのスキルは、真偽の定かではない情報があふれる現代社会を生き抜く力になると期待しています。