倭姫命(やまとひめのみこと)

◆伊勢志摩を歩く:74ページ
◆解説:『日本書紀』によれば、倭姫命は、天照大神の御杖代(みつえしろ・)となってご鎮座地を求め各地を巡幸、皇大神宮を五十鈴の川上に建てられたと伝える。
巡幸は大和の笠縫邑(かさぬいのむら・今の奈良県田原本町秦庄、または桜井市笠・同市三輪)から近江(滋賀県)、美濃(岐阜県)を経て伊勢へと到った。
伊勢国に到ったとき、天照大神は倭姫命に「この神風(かむかぜ)の伊勢国(いせのくに)は、すなわち常世(とこよ)の浪の重浪(しきなみ)帰(よ)する国なり。傍国(かたくに)の可怜国(うましくに)なり。この国に居らんとおもう。【この神風の伊勢の国は、常世波がしきりに打ち寄せる国である。大和から離れたところにある美しい国である。この国にいようと思う。】」と教えられたという。
また、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、神宮に参拝し、おばである倭姫命から「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」を賜っている。
◆参考文献:日本書紀(新編日本古典文学全集、新訂増補國史大系など)/古事記(新潮日本古典集成など)/倭姫命世記(やまとひめのみことせいき・日本思想大系『中世神道論』など)

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