伊勢志摩百物語~知られざる小さな滝を訪ねて~
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- 5 -ば、お目当ての滝に行き当たります。 苔むした岩を踏みしめながら進む先にあるのは、流れ落ちる二筋の落差3mに満たない小さな滝です。小さな滝ながらも、清らかな飛沫があがり、その傍らには不動明王が祀られている祠があります。かつては修験者が行をする滝だったのでしょうか。滝にふれた先人たちは、そこに畏敬の念を抱いたのでしょうか。そんな歴史に思いを馳せると、今に続く自然と信仰の息吹を感じることができます。 それもそのはず。この滝は伊勢の神宮の式年遷宮の御用材を運ぶ御お木き曳ひき行事に先立ち、地元の青年団員が滝つぼにつかり声高らかに木き遣やり音頭をうたい禊が行われる、信仰の息づく聖地とか。団伝統の寒禊の地ともされます。 みなさんも、この養命の滝を訪れて、清らかな気持ちになってみませんか。(佐藤 匠馬 SATO Takuma)■アクセス外宮より県道32号 経由南方向前山町方面(車と徒歩で20分程度)。■周辺の見どころ◉養命神社◉式部塚…平安時代の有名な歌人、和泉式部ゆかりの塚とも伝えられた。伊勢自動車道にかかる養命滝橋養命神社右側を流れる滝左側を流れる滝伊勢市立宮山小学校養命の滝伊勢西IC

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