伊勢志摩百物語~知られざる小さな滝を訪ねて~
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- 24 - 皇大神宮(内宮)の7別宮のうち、伊雑宮(志摩市)と瀧原宮・瀧原並宮(大紀町)は、本宮から遠く離れ「遥とおの宮みや」とも称されます。地元で「野の後じりの宮」と親しまれている瀧原宮は、宮川を遡行し、伊勢国司・北畠氏の居館があった三瀬谷の南方、宮川支流の大内山川を辿った地に、豊かな森を抱えて鎮座しています。 『延喜式』巻4(伊勢太神宮)によれば、当宮は「伊勢と志摩との境の山中にあり。太神宮の西を去ること九十里」と記されています。延暦23年(824)成立の「皇太神宮儀式帳」ではその距離が「九十二里」とあり、2里の差は辿るルートの異なりを示しているようです。 『倭姫命世記』という神宮の古記録に伊勢神宮の別宮・瀧原宮が鎮座する瀧原地区には大小48の瀧があります。神々によって祝福されたこの地では、心が洗われる滝の音が絶え間なく響いています。大滝と年魚占いの石壺12.滝原の四十八瀧 (度会郡大紀町)Forty-eight falls in Takihara (Taiki town)In total there are 48 large and small waterfalls within the Takihara area. The Takihara-gu, one of the important affiliated shrines of the Ise Jingu, is enshrined there. The sounds of the many blessed waterfalls are constantly refreshing to hear and feel.

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