伊勢志摩百物語~知られざる小さな滝を訪ねて~
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- 9 -伊勢志摩スカイライン鳥羽水族館中之郷駅白瀧大明神志摩赤崎駅船津駅167禅僧と恋に落ちました。しかし当時僧の恋愛は許されず、僧は追放されるような形でこの地に住むようになりました。里登もまた僧を追ってこの地に移り、それから五十年ばかり、二人は白瀧さんの加護を受けながら幸せに暮らしたといいます。年老いた里登は僧より先に亡くなってしまいますが、そのとき僧が里登のために詠んだ「しらたきへ 願を愛にとりなして みずの沫になさず守らん」(白瀧への願いは愛に変えて水の飛しぶき沫としてしまうことなく(あなたを)守り続けましょう)という歌が今でも伝わり、その歌碑が建てられています。 白瀧さんでは滝での滝行を受けることができます。ここでは、自身の穢れを洗い清め、白瀧さんに願いを捧げる行為であり、また白瀧さんと一体となることでもあります。ふつう神さまへのお願い事は、あまり個人的なことはよくないと言われますが、ここではその逆で、むしろ個人的なことをお願いすべきだそうです。やり方は大声で叫んでもいいですし、心の中で唱えてもいい、滝行の受け方は人によって自由です。また白瀧さんとのつながり方も、滝に打たれている間に声が聞こえたり、肩をたたかれたり、足を捕まれたり、あるいは帰りの電車の中でハッと気づいたり、人によって様々だそうです。 白瀧さんを訪れると、山の澄んだ空気と四季折々の景観、そして白瀧さんのパワーを味わうことができます。(足立 涼 ADACHI Ryo)■アクセス・近鉄志摩線船津駅より徒歩約10分・国道167号線より船津保育所方面へ山を登り、保育所から約150m、車で約1分■周辺の見どころ◉白瀧モリノチャヤ…白瀧さんどんぐり小屋の会が運営する喫茶店。参拝の折の一服に。◉八幡神社…『志陽略誌』に名前が見える地元の守り神。◉白言寺…勢州七福神めぐりの弁財天札所である曹洞宗の寺院。◉丸興山庫蔵寺…弘法大師が金剛證寺の奥の院として建てたとされる古刹。弘法大師が瞑想したと言われる弘法岩滝行を受ける筆者里登が眠る三笠塚自然が広がる白瀧さんの入り口

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