伊勢志摩百物語~名木・奇樹を訪ねる~
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- 3 -715イチョウ並木伊勢西IC五十鈴川駅23皇大神宮(内宮)32五十鈴公園猿田彦神社鼓ケ岳伊勢自動車道近鉄鳥羽線←松阪市←松阪市鳥羽市→鳥羽市→することだというわけです。ちょうど榊が、祭場や神聖な場所にたてられるように、常緑はとてもおめでたい印なのです。 クリスマス時期になると、ヨーロッパ各地ではモミの木とともに、ヤドリギ(mistletoe)が市場に並び、人々は家に飾る習慣があります。ヤドリギが吊るされた戸の下では、誰にキスしてもよいなどと。古代ケルト宗教の痕跡と言われます。日本ではホヨはやがて、ヒョンなこと、思いがけない事、妙な事という意味で使われますが、トコハ(常葉)はいつまでも瑞みず々しく、貴いものとして神道文化と深いつながりを持って来ました。宇治橋の下流右岸、五十鈴川の新橋を越えた宇治館たち町ちょう。秋になればぜひ訪れたいイチョウ(銀杏)並木があります。神宮の旧宇治工作場内で、「館町」の由来はかつて神宮祠職の「館」が構えられていたことによるとのこと。大正7年(1918)に、皇學館大学が現在の倉田山へ移るまでは、神宮皇學館「館町校舎」が建っていました。 イチョウについてはお勧めが一ヶ所。度会郡大紀町の元・野原小学校校庭にある「七なな保ほのお葉付きイチョウ」で、葉の上に実がなる珍しいものです。樹齢は350年余。三重県指定天然記念物となっています。瀧原宮(内宮の別宮)参拝の折には是非立寄って下さい。(櫻井 治男)■アクセス宇治山田・伊勢市駅より三重交通バス20分。■周辺の見どころ◉林崎文庫(史跡)…内宮神官・子弟の学問所・図書館◉慶光院…遷宮上人ゆかりの寺院。旧客殿(神宮祭主職舎本館)は重要文化財(内部は非公開)◉法楽舎跡・宇治会合所跡・荒木田守武邸跡…神宮と町の歴史が学べます。五十鈴川河畔のヤドリギお葉付きイチョウ神宮皇學館旧跡碑

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