「恋」と「就職」の一番の共通点は、どちらも"願いがかなってからが本当のスタート"だということ。本学で学び、希望の就職という大きな願いをかなえた先輩たちが、現在の幸せな日々について語ります。

神 職東條 貴史さん 学校司書山下知里さん 学芸員佐原 慧さん 小学校教員谷口 朋さん
一般企業松本 奈々子さん 社会福祉稲木 和彦さん 公務員庄山 香緒里さん

東條貴史さん

京都・八坂神社勤務
平成21年卒

日本の伝統文化を伝える
「歴史の歯車」になります

創祀から1300年以上の歴史を持つ、京都の八坂神社で神職をしています。神職の仕事といっても、お祭りで祝詞(のりと)を読むだけでなく、おみくじやお札の授与、雅楽の演奏、境内の植栽の手入れなど、毎日けっこう忙しいんですよ。一般企業と同じように、事務処理の仕事もあります。でも神職である以上、どんな仕事をしている時でも背筋を伸ばし、日本の伝統文化を感じながら神様にご奉仕させていただいています。毎年7月、当社では京都三大祭の一つ「祇園祭」が行われ、私もご奉仕させていただいています。むし暑い京都の町をゆっくりと進む行列に加わるたび、1000年以上も前から神職の先輩が何度も通ってきたのと同じ道を、同じ白い装束で、平成の私が歩いている不思議さと喜びを実感します。そして今から100年、1000年後も変わらずにこのお祭りが続くよう、私たちが歴史の歯車となって日本の文化や伝統を後世に伝えていかなくてはと思います。家が神社ではなかった私が、こうして八坂神社で神様にご奉仕させていただけるのも、皇學館大学の先生方や神職養成室のサポートのおかげ。本当に感謝しています。

山下 知里さん

三重県立宇治山田商業高等学校
平成15年卒

生徒と本との出会いを
演出するというお仕事

学校司書は、カウンターで本の貸し出しをするだけの仕事ではありません。たとえば私たちの仕事の一つに「ブックトーク」があります。これは大勢の生徒の前で、自分が選んだ本の面白さを紹介するというイベント。このように、生徒と本が幸せな出会いを果たせるようにお手伝いすることが学校司書の最大の仕事です。これまで、さまざまな本との出会いの機会を演出してきました。たとえば英語の先生と協力し、生徒が教室で学んだ内容を図書館でより詳しく調べ、それを英語で発表するという授業を企画したり、スクールカウンセラーと一緒に、仕事の意義を図書館で調べるという授業を企画したこともあります。真剣な顔で本を開いて調べ物をする生徒を見て、私も嬉しくなりました。どうしたら生徒がもっと図書館を利用してくれるかいつも考えています。どんな図書を購入し、どんなレイアウトにして、どんなポップを飾るかを考え、実際に試し、さらに新しい企画を考える。その繰り返し。アイデア次第で、どんどん仕事の幅が広がります。ある年の卒業式の日、今まで本を読まなかった生徒が「先生のおかげで、本が好きになりました」と言ってくれた時は、嬉しくて泣きそうでした。

佐原 慧さん

寒川神社方徳資料館勤務
平成19年卒

方位信仰を知っていただくため
徹底的に展示にこだわる

私たちに身近な占いも、その根本には「方位信仰」の考え方が潜んでいるんですよ。……そう説明すると、来館された多くの方が興味を示されます。私は、方位信仰で有名な神奈川県の寒川神社で、境内に設置された方徳資料館の学芸員をしています。当神社の由来や方位信仰を来館者に知っていただくため、神社の貴重な収蔵品を整理・研究し、どの史料をどのように展示すればご理解いただきやすいかを考えます。またパネルにどんな説明文を書き、どの順で並べるかも徹底的に考えます。展示した後は、パネルの傾きまで入念にチェックします。こういった仕事の進め方は、学生時代に大学の神道博物館で実施された学芸員の実習で、自分たちで展示を企画し、展示品の手配や目録・ガイドの作成まで自分たちで行った経験がとても役立っています。そして、実際にご祈祷を受けにいらっしゃった参拝者に説明を行います。私の説明に対して、関心を持っていただけると、頑張って企画をした甲斐があります。今後はインターネットなども活用して、当神社のこと、方位信仰のことをもっと多くの方に知っていただきたいと思っています。

谷口 朋さん

四日市市立海蔵小学校勤務
平成21年卒

一人ひとりの子どもを
輝かせる先生になりたい

教師になろうと思ったのは、小学校時代の先生の影響でした。当時の私はとても引っ込み思案で、人前で発表するのが大の苦手でした。ある日、私が一人でノートに何かを書いていたら、先生が「文章を書くのが好きなら、学級新聞を作ってみない?」と薦めてくれました。先生が自分を見ていてくれたことが嬉しくて、私は何人かの仲間と新聞を作るようになりました。そんなことがあってから、私は人と話すのが好きになり、人前で発表する自信がつきました。私もあの時の先生のように、子ども一人ひとりをよく見て、その子を輝かすことのできる先生になりたいと思っています。そのために、どんな小さなことでもいいので、私が受け持つクラスの子どもたちと一日一回はコミュニケーションをとるように心がけています。また今は、子どもたちに単に知識を教えるだけではなく、子ども同士がお互いに接し、毎日の学校生活を通して仲間を作ることができるような授業をしたいと思っています。放課後、そんな授業をするために教材研究をしていて、気づいたら夜9時になっていたということもありました。でも、私が工夫した授業で子どもたちが笑顔になってくれると、苦労や疲れも吹き飛びます。

松本 奈々子さん

百五銀行勤務
平成24年卒

コミュニケーションの大切さを
皇學館大学で学んだ

私は英語を学びたくて皇學館大学に決めました。入学当初は「英語だけではなく、けっこう日本のことも勉強するんだ!」と意外でした。2年次には、1年間休学してカナダ・バンクーバーに留学。現地では、多くの外国人から日本について質問されました。周囲の日本人留学生の中で、日本のことを一番詳しく説明できたのが私でした。その時、英語という道具を学ぶだけではなく、その道具を使って「何を伝えるか」、「どのように伝えるか」という広い意味でのコミュニケーション能力を学ぶことの大切さに気づきました。本当は私は恥ずかしがりやで、人前に出るのはあまり得意ではありませんでした。でも帰国後は積極的に人前に出るようになり、学生時代に伊勢のケーブルテレビ局でお天気キャスターをさせていただいたこともあります。こういったすべての経験が、銀行の業務でも役立っています。今は窓口に来店されたお客様のお話をきちんとお聞きし、相談しやすい関係づくりを心がけています。やはりコミュニケーションがビジネスの基本です。近い将来、いろんな資格に挑戦し、より一層お客様に信頼される銀行員になりたいと思っています。

稲木 和彦さん

三重県社会福祉協議会勤務
平成14年卒

専門性の高い福祉スタッフを
支えるプロとして頑張っています

社会福祉学部に入った時は、はっきりと目標はありませんでしたが、福祉の勉強を始めて一番に興味を覚えたのは、その分野の幅広さでした。また当時、広く認識されていた「福祉=高齢者介護」というイメージが間違いだと知り、とても驚きました。それともう一つは、福祉がとても専門性の高い仕事だということ。実習やボランティアで訪れた施設で出会った方々は、まさに『専門職』と呼ぶにふさわしい豊富な知識とスキル、そして高い理念を持った人ばかりでした。そんな福祉のプロを見て、「利用者を支えることも大切だけど、自分はこんな専門性の高いスタッフを支えるプロになろう!」と強く思いました。私は今、三重県社会福祉協議会で介護支援専門員の資格試験・資質向上研修に携わっています。まさに学生時代に決めた「現場のスタッフを支える」仕事だと言えます。社会福祉学部で学び、感じた思いが、今の仕事の原動力になっています。

庄山 香緒里さん

津市役所勤務
平成19年卒

地域の人々の幸せために
頑張ることが私の幸せ

大学を卒業し、一度は一般企業に就職しました。でも「せっかく働くなら、利益のためではなく、人の幸せのために頑張りたい」と思い、働きながら公務員試験に挑戦しようと決めました。参考書を一冊購入し、それを徹底的にこなすという独学でしたが、無事に一度の試験で合格。今は津市役所で働いています。市役所は定期的に部署の異動があり、そのたびに新しい専門用語を覚えなくてはなりません。また法律や制度は毎年変わるため、それも覚える必要があります。市民税課に所属しているので、景気の動向を常に把握しなくてはならず、新聞やテレビなどで常にニュースのチェックは欠かせませんでした。そう考えると、今も相変わらず仕事をしながら勉強をしている毎日です。それでも、私がきちんと業務をこなすことで、市民の生活が少しでも便利で幸せになるよう、もっともっと頑張らなくてはと思います。そしていつか、大学で取得した学芸員の資格を活かせるような部署で、市民のためになる仕事もできたらいいなあと思います。