氏名 森 真一 (モリ シンイチ)
専門分野 知識社会学 理論社会学 現代社会論
学位 博士(社会学)(甲社第六号)関西学院大学

◆代 表 業 績

著書(単著)
自己コントロールの檻─感情マネジメント社会の現実─ 平成12年02月 本書では心理学的知識が浸透してきた社会を心理主義化社会と名付け、その特徴を知識社会学的に考察している。人格崇拝規範およびフレキシブルな合理性規範が厳格化・高度化した社会の心理主義化によってもたらされ、心理学的知識はこれらの規範に適応できる行為者を産出し、その結果さらに規範の強化に寄与している。他方で、高度化・厳格化した規範が規範に逸脱する行為者をも生み出してしまうことを論述している。(総247頁)
【単著】
講談社(講談社選書メチエ)
日本はなぜ諍いの多い国になったのか−「マナー神経症」の時代 平成17年07月 現代日本社会は新旧の価値基準や規範がずれて両者の間に葛藤があるために、マナーやモラルが低下しているように感じられることを社会学的に論じている。具体的には、内集団と外集団の問題、携帯電話の意図せざる効果、社会の総体的ゲゼルシャフト化、「落ちこぼれ」と「優等生」の自尊心のありか、「お客様」社会化といったトピックをとりあげて、上記の趣旨を論述している。(新書版、総235頁)
【単著】
中央公論社(中公新書ラクレ)
ほんとはこわい「やさしさ社会」 平成20年01月 現代社会には冷たい人が増えたとメディアでは言われる。しかし実際には、それは過剰な「やさしさ」(高度な人格崇拝規範)が実効性のある対人関係規範となっていることの帰結である。この仮説を、多様な事例を使って、また日本人の生活状況の変遷と関連づけて、説明している。(新書版、総175頁)
【単著】
筑摩書房(ちくまプリマー新書74)
かまわれたい人々 平成21年06月17日 「かまわれない自由」を尊重する現代社会では、他者にかまわれることに多くの人が葛藤を持ち、「自由」を守りつつ「孤独」に陥らないための工夫と努力を行っている。その実態を、「おひとりさま」と呼ばれる人々やクリスマスなどのイベントを重視する家族の苦悩などを事例に、分析している。総285頁
【単著】
中経出版
「お客様」がやかましい 平成22年02月10日 社会学における「消費者社会」の概念は、日本社会については「お客様」社会と表現する方がより適切と位置づけ、「お客様」社会化によって傲慢、不寛容で受け身的な客が増え、それが客による暴力増加といった問題につながっていることを分析している。新書版、総180頁
【単著】
筑摩書房(ちくまプリマー新書 131)

著書(共著、編著、翻刻、翻訳、注釈等)
変身の社会学 平成09年12月 第2章「変身、モダニティ、リフレクシヴィティ」(pp.25-56)この論文では,ある映画から抽出した2つの変身を現代社会のあり方と関連づけて論じている。第1の変身、移動的変身は現代社会に特有の世界の多元化と関連し、現代人のもつ相対性の感覚を強化する。第2の変身、再帰的変身とは自分で自分を帰る変身で、現代社会自体が自己観察・自己認識によって自己を変えようとする社会であることに対応している点を、社会科学やマスメディアの浸透などを例に論じている。
【共著】
世界思想社
掲載頁:pp.25-56
阪神・淡路大震災の社会学 平成11年02月 第1巻T−1「被災の社会地図─芦屋市の場合─」(pp.11-33)共同執筆者:宮原浩二郎 共同研究のため本人担当部分抽出不可能 阪神・淡路大震災における被害の区域差は、単なる地震の規模(震度)の差異ではなく、地震と社会経済的生活条件との相互作用が生み出した差異ではないか。この仮説を検証するため、芦屋市を五つの区域に分け、各区域の人的被害や高額納税者数、一世帯当たり居住面積等を比較した。その結果、芦屋市内部には「国際文化住宅都市」イメージを代表する区域とそのイメージからずれている区域が存在すること、甚大な被害の出た区域が後者であったことが浮き彫りになった。
【共著】
昭和堂
編者名及び共著者名:宮原浩二郎
掲載頁:pp.11-33
常識の社会心理「あたりまえ」は本当にあたりまえか 平成14年02月 75―81頁担当 「ウソもみんなが信じればホント」というテーマで、マスコミが現実を作り出すメカニズムを論じている。特に、「性格は三歳まで決まる」という「三歳児神話」をとりあげ、この神話が恵まれない家庭環境で育った者に不遇感をもたせ、本当に問題行動を起こし、まるで神話が正しい「現実」であるかのように人々に感じさせてしまうことを分析している。
【共著】
北大路書房
掲載頁:75―81頁
現代文化の社会学入門 平成19年04月 「第12章「お客様」社会」(217〜232頁)担当。「お客様」社会論を構築するに至った経緯や、消費社会論における「お客様」社会論の位置づけ、客による攻撃・暴力の理由、および「お客様」社会論の今後の課題・可能性について紹介した。総274頁。担当部分:第12章、217〜232頁。共著者:名部圭一・澁谷知美・山田陽子・菅康弘・藤吉圭二・須藤廣・大淵裕美・山泰幸・足立重和・寺岡伸悟・工藤保則・森真一・真鍋昌賢・小川伸彦。
【共著】
ミネルヴァ書房
編者名及び共著者名:名部圭一・澁谷知美・山田陽子・菅康弘・藤吉圭二・須藤廣・大淵裕美・山泰幸・足立重和・寺岡伸悟・工藤保則・森真一・真鍋昌賢・小川伸彦
掲載頁:217〜232頁
心理主義化する社会(シリーズ「社会臨床の視界」4) 平成20年03月 第2章「社会の心理主義化をどう捉えるか?」(75-114頁)を担当。社会の心理主義化・心理学化と呼ばれる現象が大きく3つの立場(社会臨床学会、精神分析、社会学)から論じられてきたことを指摘し、前2者の立場について社会学的見地から批判的に考察したうえで、心理主義を「消費者態度」という社会学的概念の1バージョンと位置づけることの有効性を主張した。B6判、総298頁担当部分 75〜114頁
【共著】
現代書館
編者名及び共著者名:日本社会臨床学会編
掲載頁:75〜114頁
自己論を学ぶ人のために 平成20年10月 アンソニー・エリオット(Anthony Elliott)の著書、Concepts of the Self(Polity)の翻訳。自己(self)という概念が、社会理論や社会学等の人文・社会科学でどのように議論されてきているかを紹介している。総262頁分担訳者:片桐雅隆、森真一本人担当部分:第2〜4章(46〜191頁)
世界思想社
編者名及び共著者名:片桐雅隆 森真一
掲載頁:46頁〜191頁
コミュニケーションの社会学 平成21年12月20日 「第15章 暴力と悪というコミュニケーション」を担当。暴力と悪がコミュニケーションと捉えられることを、暴力団による民事介入暴力や若者の「キャラ的関係」を事例に説明した。総327頁。担当部分291頁〜309頁。共著者:長谷正人、奥村隆、井上俊、大貫恵佳、太田省一、菅野仁、小倉敏彦、和泉広恵、藤村正之、土井隆義、森真一
【共著】
有斐閣
編者名及び共著者名:長谷正人、奥村隆、井上俊、大貫恵佳、太田省一、菅野仁、小倉敏彦、和泉広恵、藤村正之、土井隆義、森真一
掲載頁:291頁〜309頁

学術論文
社会的世界としての精神分析世界─そのパースペクティブをめぐる考察─ 平成06年09月 本論文の目的は、分析家のコミュニケーション形式がパラドキシカルになる理由を、精神分析的パースペクティブの成立史をもとにして探ることである。科学の一分野としての精神分析確立に努めたS.フロイトは、自然科学的な主客二元論と因果決定論を前提にして精神分析理論と治療技法を構築したが、治療状況という対面的コミュニケーション状況ではこれらの前提が成立し得ない。そのために、分析家のコミュニケーション形式がパラドキシカルになっていることを論じている。
【単著】
社会学評論(日本社会学会) 第45巻第2号 pp.16-31
「マクドナルド化」する行為者─「セルフヘルプ・ガイドブック」にみる心理学的知識・スキルと合理化─ 平成10年02月 本論文では、社会的コントロールというテーマに沿って、近年流行の心理学的自助ガイドブックと現代社会の合理化過程(マクドナルド化)との関係を論じている。自助ガイドブックの流行現象は、第一に「効率性・計算可能性・予測可能性・テクノロジーによるコントロール」という合理化の四特性が日常生活に浸透している反映として解釈できること、第二に、移動・分散する個々人が合理的に振る舞うようコントロールする社会的水路づけとして解釈できることを論証している。
【単著】
ソシオロジ(社会学研究会) 第42巻第3号 pp.55-71
心理学のヘゲモニー─社会のフレキシブルな編成と心理主義化─ 平成11年10月 心理学的な見方の社会的普及は、現代社会をフレキシブルかつ合理的に再編成しようとする社会的状況と、相互依存関係にある。個性尊重・自己実現という価値への合意を人々から取りつけることで結果的に心理学は雇用流動化と能力主義への合意をも取りつけることになる。そして、このような雇用環境へ適応するために人々は心理学的知識を身につけようとしているからである。
【単著】
ソシオロジ(社会学研究会) 第44巻第2号 pp.37-53
自尊心のレトリック─回復本からみた「聖なる自己」の守り方─ 平成14年10月 アダルトチルドレンをはじめとする「回復本」は自尊心の重要性を主張し、親が子どもの自尊心を損なっていることを告発している。このような回復本の社会への浸透は、個々人のもつ「聖なる自己」の聖性が高度化していることを表しており、人格崇拝規範が徹底化する中でいかにして「聖なる自己」を守るかを教える役目を回復本が果たしていることを論じている。
【単著】
ソシオロジ(社会学研究会) 第47巻第2号 pp.3−19頁
やさしさの多義性と葛藤 平成20年12月 現代日本社会で暮らす人々の対人関係ルールとして「やさしさ」ほど優先されるものはないが、その表現方法は未来志向と現在志向、積極的と消極的というように、いくつかパターンがある。傾向としては未来志向から現在志向へのシフトが起きている。このやさしさの多義性が、対人関係上の葛藤を生み出していることを、説明している。29頁〜34頁
【単著】
『児童心理』2008年12月号
掲載頁:29頁〜34頁
心理主義化社会のニヒリズム 平成23年03月31日 「特集:「心理学化」社会にける社会と心理」のために依頼された論文。V・フランクルの「心理学」や、A・ギデンズの言う「ライフポリティクス」はニヒリズム克服を目指す人々の営みと言われるが、M・ハイデガーの存在論からすれば、そういった営み自体がニヒリズムであり、「心理学」もそれに荷担していることを論じている。総18頁
【単著】
『社会学評論』第61巻第4号(日本社会学会)
掲載頁:404〜421頁


閉じる