伊勢志摩百物語~名木・奇樹を訪ねる~
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- 24 - すこし暑さを感じる初夏の頃、志摩市浜島町の宇気比神社を訪れました。ペンキやタイルでたくさんの魚の絵が描かれている海沿いの道路を進むと、左手にこんもりと茂った宇気比神社の鎮守の森が見えました。 鳥居をくぐると大きな石段があり、登るときれいな社殿がありました。境内は木陰になっており、木々の間からそよそよと海風が吹き流れてきて涼しく感じました。  神社を覆うこれらの木々は「宇気比神社樹叢」として昭和13年に三重県の天然記念物に指定されています。タブノキやホルトノキ、モチノキ等の暖地性の大木がたくさん生えているという特徴があります。  享保11年(1726)に浜島村から鳥羽藩へ提出された「志摩国阿児郡浜島村指出帳」には 「御城主様からも伐る御用はありません。勿論百姓共も伐る事はありません」と報告されています。 『神と杜』(昭和50年)には古代から日本人は「森に神異を感じていた特別な「森」につい海沿いにあるこんもりした森。その奥には笑顔のエビス様がいました。樹叢の中へ続く階段12.エビス様のいる宇気比神社樹叢(志摩市浜島町)

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